アニメ譚

アニメ譚

其の0

アニメも昔からだいぶ変わった。質だけでなく地位的なところも変わっている。日本での最初の転換期は虫プロなどで制作されていったTVアニメだろう。もちろん、その以前にも東映動画などがアニメ映画を作っていたが、週単位で提供できるものではなかっただろう。いろいろ工夫がなされたようだ。

本来1秒間に24コマを動かすと動いているように見える。しかし、30分で43,200コマ必要となり現実的には不可能である。12コマでも十分らしいが、それでも週単位だときついようだ。8コマぐらいまで落として様々な演出技法で乗り越えたようだ。

いまのアニメはきれいで動くよね、と思っている方も多いと思う。これはコンピューター技術の発展が大きい。昔はセルというものへ描き込んで重ねて撮影していたが、いまはコンピューターソフト上でそれぞれの画を作成して重ねて編集もできる。

レイヤの概念などは本サイトの創作コンテンツで紹介などしているので興味があればご覧ください。僕も稚拙ながらひとりでそれなりに作れるようになったのもパソコンのおかげです。また、アニメ作成を主題とした漫画も多くあるので見ていただきたい。ちなみに僕は『映像研には手を出すな』が好みです。

それにいまのアニメは自由度が上がった気がする。きっとアニメはサブカルチャー的な位置づけがいいのかもしれない。コアなファンが押し上げてきたところもある。最近、メディア界でメジャーにさせようという気配がみえるが、その昔、ビジネスと絡めて散っていった儚いアニメたちを生まないでほしい。

とはいえ、面白いアニメは残ってそれ以外は淘汰される。自然の摂理としてはしかたないことかもしれない。

其の1 アニメとは

物語は、文字の無い時代からあっただろう。人が伝えるあるいは伝えられることは生きていく術を得るためには必須である。たぶん、絵で伝える絵物語が文字で伝えるものより先であっただろう。それが、品や形を変え、エンターテインメントを含んで増殖し現在に至る。

通常、人間が見ているものは動画である。物語も同じように動いてほしいと思うのは自然の成り行きかもしれない。それが映像技術の発展とともに現実的になってきているわけだ。

高山寺にある「鳥獣人物戯画」も物語の流れが描かれ、一画面にするとアニメーションになる。

回転させて絵を動かすストロボスコープなどもある。

アニメは、例えば人間が空を飛びたいと思うような想像を、実際の映像として見せてくれる。つまり、夢を作ってくれるのである。アニメの内容は賛否両論あるだろうが、アニメ自体を否定する人はいないのではないだろうか。

其の2 変遷

絵を連続的に動かすことで物語を作る、ということでは人が絵を描く時代からアニメはあった。例えば、壁画というものも、いくつかの絵で事象を表すものであれば同様と考えてもいいだろう。

逆にひとつの絵であっても、その中に物語をイメージしてもらいたいと期待している。人は現実の世界で常に動くものを意識している。静止画であっても動的な世界をイメージするのは本能なのかもしれない。

人にはイメージしたい欲がある。本当は体験したいのだが、それをイメージの中だけでも満たしたいのである。それを視聴することで満たせるエンターテイメントのひとつがアニメということになる。

連続的な絵を連ねることから絵を重ねてアニメを作るようになり、コンピューターで作るようになっていった。時代によっていろんな試みがなされ、いまに至っている。アニメの革命家と言えば、ディズニーであり、日本なら手塚治虫であろう。しかしながら、いまのアニメを作るのはいまの人たちである。

アニメには絵を描くものだけではなく、他にも人形を動かすパペットアニメがある。総合エンターテイメントとして映画は優れているが、アニメも同様だがもう少し夢があるような気がする。

個人的には、もっともっと面白いアニメが見たいし期待している。と、同時に自分でもアニメを作りたいという思いもある。好きなアニメの次をみたいと思っているだけで生きていきたいと感じている。

お奨めアニメ(ほぼ独善的)

ガルパン(GIRLS und PUNZER)

最初は、戦車道⁉って思うのだが、これだけ長年慕われてファンを虜にする魅力がそこにはあるのだ。継続高校のミカさんによれば・・

ということになる。

TVシリーズ(全12話)

わずか12話でありながら、劇場版を作りさらに根強いファンの支えで最終章を作るまでに至る原点です。大洗町(茨城県)を聖地にした理由もわかるかと思います。

激奨ポイント①

それぞれの闘いで戦略があり、思いもよらぬひらめきで逆転する。

よくある演出といえばそうなのだが、奇想天外というより理屈に即した作戦であることが逆におもしろい点です。もちろん、歴史的な戦いもベースにあります。

激奨ポイント

黒森峰女学園(姉)との闘いが最高潮。

もちろん(大洗女子学園)廃校を阻止するため優勝しなくてはならないが、元々主人公(西住みほ)の戦車道への確執が黒森峰延いては西住流での戦い方にあったわけで、不本意ながら姉も西住流を背負って妹と対決するのです。お姉ちゃん(西住まほ)もかっこよく、「西住流に逃げるという道はない」とタイマンするのです。また、戦術的にはマウスを撃滅するシーンがたまりません。

他にも有り余るほど推奨ポイントはありますが、まずはとにかく見ていただければと存じます。

ひとつ付け加えるならば、OVA(別リリースされた「これが本当のアンツィオ戦です」や各リリース媒体にある特典映像)も必見です。

劇場版

まさに”よくできている”映画です。ストーリーはいたって単純明快で、劇場版から観た方でもすんなり入り込めるものです。いろいろなアニメ映画を見てきましたが、こんなに”よくできている”のはあまりありません。

激奨ポイント①

ライバルチームが助けに来てくれる。

よくある演出といえばそうですが、ダージリン様の電報で集結する仲間がすばらしい。

激奨ポイント

西住流と島田流の(二対一ですが)一騎打ち。ラストBGMが消えて、戦車の駆動音だけが響き、目だけですべてを感じ取る姉妹・・

もちろんボコのくだりも嫌いじゃないですけど、やっぱここでしょう。

本来なら劇場版までで集大成だったのかもしれませんが、それを最終章までこじ開けたのはやはり根強い魅力があったのでしょう。

最終章第1話

理由はともかく冬季無限軌道杯へ参戦し勝たなければならなくなった。初戦の相手はBC自由学園。

激奨ポイント

強いていえば、サメチームの参加。”どん底”の存在。大洗のヨハネスブルグ。

最終章の導入口で、新たな風を吹き入れています。

最終章第2話

二回戦はみんな大好き知波単学園。突撃を封じた時の俊敏性、一体感はたまらなく強い。だが、最後はさすが知波単・・

激奨ポイント

密林での攻防戦。特二式内火艇ラバさん。

カメラワーク、構図、演出。

最終章第3話

準決勝はミカ率いる継続高校。僕も刹那主義には賛同できない方かな・・

激奨ポイント

実は強い継続高校。しかもそこには白い魔女がいる・・

TVシリーズの会話でも出てくる継続高校。また、劇場版でも序盤戦で見事な活躍をする。「天下のクリスティ式をなめんなよ!」(ミッコ)。

最終章第4話

主力を失った大洗女子、継続のヒットマンがフラッグ車を狙っている。結末やいかに・・

激奨ポイント

雪山の決戦。数分間の息を呑む展開・・

個人的な推しは、継続高校>アンツィオ高校>知波単学園>大洗女子・・かな。

最後はなるほどと思ったり思わなかったり・・

最終章はそれぞれ1時間弱となっているが、実はアニメ映画を凝縮するとこうなるという結果かも。戦闘シーンが中心なのだが、息をもつかせぬ場面の連続なので十分満足できる。

音へのこだわりは公式でも発表しており、爆音で観ると迫力が違う。その他、SE、CV、BGM、主題歌など語ると切りがなくなる。スタッフも水島監督はじめ、構成・脚本の吉田玲子、キャラクターデザインの島田フミカネなど、これも切りがない。

是非、観にいってハマってほしい。本当に「戦車道は人生の大切なことがすべて詰まっているんだよ」なのか確かめてほしい。とにかく、パンツァーフォー!

とある科学の超電磁砲(レールガン)

ガルパンと同じでハマってしまったアニメ。JC(JK)がんばる、面白い、が好きなのかも。

機動戦士ガンダム

言わずとも知れた名作アニメである。ロボットアニメの最高峰などという形的な魅力ではなく、そこに関わる人間模様なのである。

ガンダムを語るとガンダムフリークの方々にお叱りを受けるので止めるが、ここまで多種多様なガンダムがいまだに作られるにはフリークではない人々も惹きつける魅力があるのだと思う。

ジ・オリジン(THE ORIGIN)

敢えてこれをお奨めする。ファースト・ガンダムまでの、一年戦争に至るまでの過程を描いている。赤い彗星はどのようにして生まれたのか。MSはこうやって作られていったのか、を知ることができます。

原作を読んでいないので、ファースト・ガンダムでのシチュエーションがわからずモヤモヤしていたのが一気に解消できた感じです。ランバ・ラルがかっこいいし、ドズル・ザビがなんとなく好きになり、キャスパル兄さんはシャーに変貌していく。

『Ⅲ 暁の蜂起』でシャーが赤い朝焼けに向かって放つ一言「赤いな・・いい色だ」。赤い彗星の始まりであり、シャーが確立した光景である。絶対の見てもらいたいシーンである。※画像がないのが申し訳ない。

新世紀エヴァンゲリヲン

単純であるといえば単純であるし、難解といえば限りなく難解である。個人的には、「決戦、第3新東京市」が一番。

名探偵コナン

国民的アニメといってもいいだろう。一年で一度、劇場版はマストである。アニメの年度は、名探偵コナンではじまる。

ジブリ

いわずもがな。「風の谷のナウシカ」で感動をもらい、「となりのトトロ」で癒されました。

ディズニー

ディズニーはあまり見なかったのだが、「ファンタジア」には衝撃を受けた。日本では作れないアニメ映画だろう。

昭和のアニメたち

ガンダムやエヴァンゲリオンも昭和のアニメであるが、1970年代から80年代に架けてのアニメ高度成長期に生まれでたアニメたちがいる。いまのアニメの礎を築いたものである。改めてみると、本当に動きがなめらかではない。技術的、予算的、納期的な背景があるので仕方ない。それでも、一年に一回程度で作られる東映アニメ映画はそれなりの出来栄えだったと思う。個人的に覚えている(見ていた)アニメを羅列してみた。※年代順ではない。太字は好きなアニメ。

狼少年ケン・・最初に見たアニメ。
・鉄人28号・・横山光輝 原作。
・エイトマン・・タバコを吸うのが印象的(原子炉の冷却剤だそうです)。
スーパージェッター・・SF作家「平井和正」原作。
・宇宙少年ソラン・・チャッピーがかわいい。
・遊星少年パピィ
・遊星仮面
サスケ・・白土三平 原作。冒頭のセリフがしびれる。動きを出すための技法が画期的だった。
・風のフジ丸
・夕焼け番長
忍風カムイ伝
・男どアホウ甲子園・・藤村甲子園がかっこいい。たぶん「水島新司」原作の初アニメ。
・花のピュンピュン丸・・つのだじろう 原作。夏休み等では午前中よく再放映されていた。
・ワンダースリー
・紅三四郎
・レインボー戦隊ロビン
・ハリスの旋風(国松さまのお通りだい)
・魔法使いサリー・・横山光輝 原作。横山先生の幅広さを感じる。
・モンシェリーココ
・宇宙っ子ジュン・・年代的には白黒時代。悲しいストーリーが多かった。
・アパッチ野球軍
・海のトリトン・・手塚治虫 原作。主題歌がすごくいい。
・マジンガーZ・・ロボットアニメの金字塔といわれるアニメ。鬼才「永井豪」原作。
・パーマン
・おばけのQ太郎
・マッハGOGOGO!
・ビッグX
サイボーグ009・・石ノ森章太郎 原作。初代。9戦士揃うのは2話ぐらい。
・サザエさん
リボンの騎士・・どうしても朝6時の再放送がみたくて徹夜していた。
・どろろ
・バンパイヤ(一部)
・バビル二世
・巨人の星
・侍ジャイアンツ
宇宙戦艦ヤマト・・初代。沖田艦長の亡くなる回にアニメで初めて泣いた。
・それゆけピュー太
・ハクション大魔王
・タイムボカン(シリーズ)
・ヤッターマン
・デビルマン・・「永井豪」原作。原作とは違う面白さがある。
・キューティーハニー・・「永井豪」原作。お色気が少年ごころに突き刺さる。さすがに『ハレンチ学園』テレビアニメ化できなかった。
・秘密のアッコちゃん
・おそ松くん
・天才バカボン
・モーレツ・ア太郎
・不思議なメルモ
・悟空の大冒険
ルパン三世(ファースト)・・泥棒をアニメにするとは?視聴率とかいろいろあって、四話目からは宮崎駿が入ったのは有名な話。

たぶん忘れているアニメも多い。「ど根性カエル」をすでに忘れているし、「ムーミン」や「アンデルセン物語」、「まんが日本昔ばなし」、「妖怪人間ベム」、「ゲゲゲの鬼太郎」なども。挙げると切りがない。

昭和の時代は、夜7時台が子供の時間でアニメ枠であった。表現の自由や世代を問わないものの方が、アニメフリークとしては喜ばしいし、適材適所であり、商業的にもよかったのかと思う。自分好みのアニメがいっぱいできることを楽しみに生きていける。最近では、「江戸前エルフ」とか「デキる猫は今日も憂鬱」などほどよい緩さと癒しにハマっている。

タイトルとURLをコピーしました